ダラダラと活発たれ!!

メタルとか映画とか音楽とかいろいろ

映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」かっこよさも、輝きも無い青春映画

 

何もしてこなかった人間は何もできない。

 

そんな厳しい現実を突きつけてくる映画でした。正直2時間ずーっと見てて辛かった。

でも、ものすごく切なく、愛おしい作品でもあります。

感想書いてきます。

 

あらすじ

ガチャガチャ専門の玩具メーカーに勤務する田西敏行(峯田和伸)。営業成績はいまひとつで、さらにはいい雰囲気だった同僚のちはる(黒川芽以)とは一度の過ちがきっかけで彼女の気持ちが冷めてしまう。そんなある日、田西はちはるがライバル会社の青山(松田龍平)にもてあそばれたことを知り……。 

ボーイズ・オン・ザ・ラン - 作品 - Yahoo!映画

f:id:metalheadyusuke312:20170329060057j:image

 

ギャオで無料配信してるのを知ってから、気になってはいました。でも、 いわゆる「キツそう」な感じの映画だし見る気なかったんだよねw

てか主演が銀杏BOYZの峯田って時点で「あーキツいキツいキツいw」みたいなw

でも魔が差して見ちゃった。

そしたらいい映画だったよ…

魔が差してよかった…(笑)

 

物語後半、田西(峯田和伸)とイイ感じだったちはるちゃんを孕ませといて捨てた青山(松田龍平)をぶん殴ろうと、田西はボクシングのトレーニングを重ね殴り込みに行く。しかし、付け焼き刃のパンチは一度も当たらず、青山にボッコボコに返り討ちにされる。

しかもちはるちゃん、青山以外にも他の男ともヤッてたり、孕まされた後は見向きもしない青山と未だにズルズルだったりと中々のクソ女っぷり。

最後の最後で、駅のホームで電車を待つちはるちゃんに、というか自身の心の叫びとして「俺頑張ったんだよ!!。・゚・(ノД`)・゚・。」と嘆き、閉まる直前のドアにちはるちゃんを突き飛ばしへたり込む田西。

そのまま電車はちはるちゃんを運び走り去っていく。(この辺銀杏BOYZの「東京」の歌詞を思い出したりしました)

トンネルを抜けて、道のど真ん中を全力疾走してくる田西。

それに合わせて主題歌「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が流れそのままエンドロール…

銀杏の峯田、すなわち田西自身の歌で終わるってのがまたクるんだよね。

この曲自体は知ってたんだけど、この映画見てからだとぐっと切実に聞こえる。泣きながら歌っているような声が、まんま劇中の田西の姿に重なります。

歌詞貼っときますね。

あなただけ あなただけ 追いかけて

あなたまで あなたまで 傷つけて

 

夢でも 夢でも 届かないのに

夢さえ 夢さえ 捨てられない

 

黒い髪をください

唇をください

あなたの幻を道連れにして

 

ボーイズ・オン・ザ・ラン
ボーイズ・オン・ザ・ラン

「もう遅いか」

ボーイズ・オン・ザ・ラン

 

なくさないでください

忘れないでください

さよならを抱きしめても追いかけさせて

 

ボーイズ・オン・ザ・ラン
ボーイズ・オン・ザ・ラン

「もう一丁だ」

ボーイズ・オン・ザ・ラン

あ、PVは見たい人は自分で検索して見てね。映画以上にキツいんでw

 

 

ただこの映画、ただの「ダメ人間が頑張って何かする映画」ではないんですよね。

今まで何も努力もせず棒に振りかけていた人生を、自身の努力でなんとか(自分の中での)勝利を勝ち取るロッキー・バルボアとは違うわけです。

普通こういう映画って最後は何か「救い」みたいなものが用意してあるもんだけど、この映画はそれがほとんどない。

「最後に青山をぶん殴るんだろう」

「最後にちはるちゃんに受け入れてもらえるんだろう」

「逆に最後にちはるちゃんをぶん殴るんだろう」

そんな観客の予想を全て裏切ってみせる田西。

ダメでダメで、戦う理由すらよくわかんなくて、戦っても負けて、ロッキーみたいに自分の中で何か決着を付けることも出来なくて…

厳しい、弱者に厳しい映画です。

 

 

でも厳しいだけじゃない。

「ほらな、やっぱお前はダメなんだよ。」

が、この映画の全てではない。

ラストシーン、発車音がなるホーム、田西はちはるちゃんを引き留めようとするかのように見えた。

しかし、田西はちはるちゃんを突き飛ばした。かなりえげつない勢いで。

 

エンディングの歌詞の「あなた」がちはるちゃんだとしよう。

こんな結末を迎えてもちはるちゃんのことが忘れられない田西は、ちはるちゃん自身ではなくちはるちゃんの幻を追い続けることで、あともう少しだけ、夢の中にいることを選んだ。そう思っています。

勝負に負けてもちはるちゃんに拒まれても、たった一つ本気になれる存在だった人を忘れられない。

それは、「純愛」とかそんなキレイなもんじゃなく、「なんでオレにはヤラしてくんないの?」というものすごく醜い切実な要求。

そのちはるちゃんを突き飛ばす、それが精一杯の強がりだったのでしょう。

そう思うと泣けてきます。

 

現実には、都合の良い努力も勝利も成長もない。それでも走り続ける。

かっこよくもないし、輝いてもいない。

夢も、青春も、現実ではそんなものです。

ものすごく見苦しくて、非現実的なのに現実味のある物語でした。

だからこそ、本当に心を動かされ、背中を押されました。

実に愛すべき映画です。

ボーイズ・オン・ザ・ラン 「夢をあきらめないで」 - YouTube

 

 

見終わって、いい映画だったな〜と思い、エンドロールで監督の名前を確認したところ、三浦大輔さんという方らしい。

ん?どっかで聞いた名前だな…

 

 

 

「ソウルトレイン」の人じゃん!!(笑)

 

この映画、少し前の記事で感想書いたんですけど、これまたダメ人間映画なんですよ(笑)↓

 映画「ソウルトレイン」 - ダラダラと活発たれ!!

てかこの「ボーイズ・オン・ザ・ラン」、「ダメ人間がちょっと頑張るけど結局ダメでした」って、ソウルトレインと全くおんなじ話じゃねーか!!

 

やるな…三浦大輔!!

好きだ!!(笑)

f:id:metalheadyusuke312:20170329081343p:image

 

 

(終わり)